昭和28年8月、 松尾博は財団法人NHK交響楽団のコンサートマネージャー在任のまま松尾ミュージックカムパニーを創立し、戦争のため十数年輸入が途絶えていたスタインウェイ( ピアノ) 、ベーゼンドルファー( ピアノ) 、ライオンヒーリー( ハープ) 、ノイぺルト( チェンバロ)等、世界的に著名な欧米の楽器メーカーと輸入の特約を結び、これらの輸入・販売面で実績を上げてまいりました。
昭和31年2月、NHK交響楽団退任を機会に同社を発展的解消、新たに、株式会社松尾楽器商会を設立しその代表取締役に就任、それと同時に海外の取引先を拡充し社業を発展させて参りました。西洋音楽の普及・音楽教育の向上と共に愛好家も増加し 、楽器への需要も著しく増大いたしました。今日では弊社納入のスタインウェイピアノは4000台を突破し、ベーゼンドルファーピアノ(昭和53年迄)は150台有余、ライオンヒーリーハープは250台有余、ノイぺルト等のチェンバロは50台以上を数え、NHKをはじめ各民間放送局・全国各都市のホール・レコード会社・音楽大学、そして一般愛好家等に納入されております。
又、昨今は日本には数少なかったパイプオルガンの輸入も増加、NHKホールのパイプオルガンをはじめ、その他各地の教会、大学の講堂、チャペル等、更に公共施設では武蔵野市民文化会館、福島市音楽堂、府中の森芸術劇場、そして平成3年には我が国最大級の規模を誇るパイプオルガンを東京芸術劇場に、又、平成4年には愛知芸術文化センターの大型パイプオルガンを完成させ、着実な実績を重ねています。
更に納入後の総合的技術管理について、それに携わる技術者を海外のメーカーに派遣し技術の研鑽を重ね、各地の施設のピアノ、パイプオルガン等を常に最良の状態で管理運用できるよう保守管理を行い、その技術力は内外のアーチストから信頼を得て高く評価されております。
又、譜面台、指揮台等のホール舞台備品も独自に開発し、全国各地の演奏会用ホール等に納入しております。このように弊社の、専門分野での著名楽器の輸入取扱量と保守管理は業界でもぬきんでており、他の追随を許すことなく今日に至っております。
昭和58年、松尾博の没後、松尾治樹がその後を引き継ぎ代表取締役に就任、業績を拡充すべく今日に至っております。